2000年11月4日(土曜日) 中之作港
きむさんの地元に初遠征!!
きむさんが高萩に引っ越してしまったので、年内に一度はきむさんの新しい地元に釣りに行きたいと思っていました。そこで、三連休をいいことに、CD-ROMのデータを完成もしていないのに出かけることにしました。(^^;;;;
事前にきむさんとはメールで打ち合わせ、釣り場としては中之作の沖堤防か江名の沖堤防を候補にしていたのですが、台風20号崩れの低気圧の影響で海は大荒れの様子です。土曜も波が収まる様子はなく、波浪注意報が出たままです。しかし、荒れた時こそ、チャンスは湾内にあります。そこで、沖堤渡航は諦め、目標を中之作港の湾内と定めて釣行することにしました。
つくばからきむさんの家のある高萩までは一時間とのことだったので、午前4時につくばを出発。途中コンビニなどによって、5時10分頃きむさんの家に着きました。出発は5時半の予定だったので、荷物の整理をそこでして、準備万端整えたつもりだったのですが・・・・・
きむさんの家から中之作までは1時間弱でした。海はやはり荒れていますが、湾内は静かです。東堤防の先端にも既に数人の釣り人が入っています。この港、沖堤防が湾を囲んでいるので、荒れには強いようです。さすがに沖堤防への渡船はお休みのようで、沖堤には人はいない・・・と思ったのですが、通常の沖堤防ではなく、東堤防と船道を隔てた対岸にある別の沖堤防の方には人が沢山います。波が高いので今日はこの沖堤防への渡船になったようです。
「あそこには人が渡ってるね。」
「しかし、あそこにお金払って渡るのもねえ・・・」
「確かに、ここから投げれば届くよねえ・・・」
と言いつつ、我々は東堤防に入ることにしました。まずは偵察です。先端付近ではトリックサビキでウミタナゴを釣っている人がいましたが、カレイは上がっていないようです。足元では小型のアイナメ・クジメが時々釣れていました。
私の今日の狙いは、今シーズン初?のカレイとアイナメです。狙い目は船道のような気がしたのですが、船道に投げられる場所には既に釣り人が入っており投げられません。そこで、湾内と湾外とに適当に投げ分けることにしました。内側2本、外側2本です。
さて、準備と思い、ケースを開けると・・・・・
「あ、また釣り具忘れた。」
「どうしたの。」
「先週買って、車に忘れて使えなかったやつ、また車に忘れてきちゃった・・・・」
ということで、折角の釣り具を2週連続車に置き忘れるという失態をしましたが、それでも何とか準備して釣り開始です。第一投は7時頃でした。
小物しか釣れない3時間
釣りはじめてしばらく、4本の竿をあちこちに投げてみますが、当りはありません。内側は餌もそのまま戻ってきます。外側は餌はすぐに無くなるのですが、何も釣れません。外側の南の方には根があるようで、根掛かりも頻発します。きむさんは投げ釣りとともに、お得意の足元のアイナメ狙いを始めますが、小さな当りはあるものの、何も釣れていないようです。
しかし、しばらくして、このきむさんの竿に、遂に小さな当たりの犯人が掛かりました。7cmほどのメバルです。15号のセイゴ針に食いついた、記念すべき中之作第一号獲物となりました。当然すぐにリリースです(^^) このころとなりに来た御夫婦は、このメバルをサビキで沢山釣っていました。小メバルの魚影は相当濃いようです。
この後私の方の竿にも、小型のアイナメが掛かりますが、しばらく竿を置いたままにしていたので、その間に死んでしまったようです。ちゃんと針を2本とも飲み込んでいたので、掛かった時には生きていたのは間違い無いのですが、釣り上げた時には既に絶命しており、えらの内側からうじゃうじゃとダンゴ虫のような虫が出てきました。これが餌取りの正体です。死んだばかりのアイナメに、あっという間に入り込んでしまうほどこの虫が海底にいるというのは恐ろしいですね。
この虫を見て、その場所で釣るのが嫌になったので、場所を変えます。しかし、何も釣れません。しばらくして、やっと小型のクジメが1匹釣れますが、それっきりです。きむさんの方も、足元で小型のクジメを釣っています。
「当たりがないねえ・・・」
「そうだね。駄目かなあ。場所替える?」
「江名に行ってみる? 行ったこと無いしね。」
「そうしようか・・・」
「10時には満潮だから、潮が止まったら移動しようか。」
などと話しながら釣りますが、状況は変わりません。10時近くなったので、私は食事タイムです。
カレイ出現!!
きむさんは、餌が無くならないので、遂に餌消費活動?に入ります。2本針仕掛けのそれぞれの針に、青イソメの房掛けです。
「この竿にどんな魚が掛かるか楽しみだなあ。」
「その餌を食うのって大変だね。」
「超大物がくるかな。」
などと半分冗談で言いながら、この竿を投げ込みます。そしてぼんやり座っていると・・・・・突然きむさんが今投げ込んだ竿の竿先が「ビクン」と揺れます。明確な当たりです。で、なぜか二人同時に竿に飛び寄ります。実は私は自分の竿と勘違いしたのです(^^;;;;; よく見たら、きむさんの「餌たっぷり竿」でした。
「当たったね。」
「うん。でも餌が大きいから、たっぷり食い込ませなくっちゃ。」
と次の当たりを待ちますが、当たりはありません。30秒くらい待ちます。
「そろそろ合わせるよ。」
ときむさんが大きく合わせます。
「どう?」
「何か乗ってる。」
「タモいる?」
「さっきの当たりからすると、タモがいるほどの大きさじゃないかもね。」
「でも、カレイかもよ。」
それなりに重そうなので、一応タモを組み立てます。
「あ、カレイだ。」
「本当だ。」
と、タモに収まったのは30cmクラスのカレイでした。きむさん、中之作カレイ第一号です。
「やったね。今日来たかいがあったね。」
「うん。これでやる気が出たぞ。」
「そうだね。よし、僕もカレイ釣るぞ。」
ということで、急に二人とも元気になります。江名への移動は取りやめ、カレイ狙いです。
ここ中之作港はさすがに福島県の港だけあって、三連休の中日で前日大荒れで釣りができなかった状況にもかかわらず、釣り人は少なく、釣り場は広々としています。少なくとも最近の鹿嶋某堤より空いています。東京から来る方は沖堤に渡ってしまったのでしょうね。
私は釣り場が広いのをいいことに、反対側に出していた2本の竿も持ってきて、4本をきむさんがカレイを釣った場所と同様の場所(「同じ場所」ではありません。状況が似ている場所です。)に投げ込むことにしました。きむさんは2本です。さらに私ときむさんが1本ずつ足元に竿を出します。合計8本の竿が堤防に並びましたが、それでも全く他の人に迷惑を掛けないので安心です。
この後、クジメやアカハゼが連続して釣れます。きむさんは良型のマハゼも釣りました。シャコも釣ったので、マハゼとともに、ありがたく頂きました。上げ八分で魚の食いが立ったようです。
しばらくして、私の足元に出していた竿が、少し変な動きをしています。根掛かりかなと思い竿を煽ってみると、重い手応えでなにか上がってきます。そして急速な引き込み、何かが釣れています。もう一度上げると、一瞬カレイの姿が見えますが、また引き込みます。
「きむさん、タモお願い」
「何?」
「カレイ、小さいけどね。」
「どこ?」
「今もう一度上げるから、待ってね。」
「あ、カレイだ。大きいじゃん。」
「ほんと?」
きむさんの差し出したタモに収まったのは37cmの良型カレイでした。
「本当だ、いい型だったね。」
「それにすごい肉厚だよね。カレイはやっぱりこの時期がいいよね。」
「うん。これで満足だ。」
「これでいつでも帰れるね。でも、なぜかカレイはGakuさんの方が大きいのを釣るんだよなあ・・・」
「それは偶然だよ。」
腕が同じ場合、魚の数は竿の数に比例するので、私の方が数が多いことは良くありますが(^^;;;;、大きさは偶然ですよね。
このカレイ、先端で船道狙いで釣っていた人も見にきました。
「いい型ですねえ。」
「そうですね。今日はどうもこっちの様ですね。船道は釣れてないでしょ?」
「そうなんですよね。」
このカレイで二人とも安心感が出て、余裕の釣りになりました。
イシモチ敗退、でも予想外の・・・・
その頃、反対側で良型のイシモチを釣った人がいました。
「イシモチ釣れたね。あの人がもう1匹釣ったら釣ってみよう。」
「へ〜本当だ。じゃ、僕はちょっと1本出してみるかな。」
と、これが私ときむさんの性格の違いですね(^^) 私は早速1本イシモチ狙いの竿も作って試してみました。しかし、結局これには何も釣れませんでした。
「やっぱりあの1匹は偶然だったね。やらなくて良かった。」
ときむさん勝利の弁(笑)でした。ちなみに、途中から、私は釣ったハゼを餌にして、ヒラメ狙いの捨竿も1本出しておきましたが、これも最後まで当たり無しでした。
この後しばらくはまた何も釣れない時間が過ぎます。完全に潮止まりに入ったようです。きむさんがコンスタントに釣っていた小型のクジメさえ釣れなくなりました。私は睡眠モードです。するときむさんがやってきました。
「Gakuさん、Gakuさんのあの竿、糸がすごく横に流れてるよ。変だよ。」
「え?どれ?」
といって見に行くと、確かに1本、真っ直ぐ投げていたはずの糸が真横に出ています。しかし、カレイがこんなに糸を引っ張るというのは聞いたことがありません。多分、誰かが知らないうちにお祭りをして引っ張ってしまったのだろうと、気楽に巻きます。
「どう?」
「何だろうね。へんだね。ちょっと重いけど、ゴミかな。」
と言ったところで、一瞬銀色の魚体が見えます。
「何か魚がついてるよ。」
「本当だ。何だろう。」
きむさんがすぐにタモを取りに走ります。
「何だった?」
「スズキだと思う。セイゴクラスかな」
「へ〜、小さくてもスズキならタモで上げた方がいいよ。」
「うん、お願い。」
タモを持って戻ってきたきむさんが入れてくれたのは、40cmのスズキ(フッコ)でした。確かに釣り場案内にも、この堤防では早朝にスズキが釣れると書いてありましたが、まさか真っ昼間に餌釣りに食いつくとは思いませんでした。
「スズキが釣れるとは思わなかったね。」
「うん、予想外だ。でもスズキは家内が好きだから嬉しいや。」
「さすが中之作だね。思いもしないものが釣れるなあ。」
と、初めての釣り場の珍しい獲物に二人で感動しました。
30cm超3連発???
スズキまで釣れたので、今日の釣りは大満足です。帰って測ってみると一応40cmあったので、セイゴではなくぎりぎりフッコと呼んでもいいでしょう。久々の嬉しい獲物です。
しばらくして、また投げ竿に小さな当たりがあります。しかし、これは手応えが軽く、大きな魚ではありません。釣れていてもせいぜいハゼだなと思いながら上げてみると、忘れていたやつが上がってきました。アナゴです。これもなかなかの良型です。
「Gakuさん好調じゃん。」
「え〜? カレイ、スズキはいいけど、アナゴはねえ・・・」
「でも、30cm超3連発だよね。」
「ま、確かにそうだけどねえ・・・」
と言いつつも、アナゴも美味しいので、お土産としては十分です。最近はあまりアナゴを釣っていないので、家族にはアナゴも喜ばれるのです。
ちょうどこの頃、あゆみから電話があります。
「パパ、何か釣れた?」
「うん、カレイとスズキのちっちゃいのが釣れたよ。」
「へ〜すごいじゃん。どのくらいの大きさ?」
「35cmくらいかなあ・・・」
「いいねえ。ママ、スズキが釣れたって。オレンジソースにして。パパ、早く帰ってきてね。夕食のおかずなんだからね。カレイはお刺し身ね。」
「はいはい。夕食には間に合うように帰るよ。」
ということで、魚達は釣り場で料理方法まで決められてしまいました(笑)。
最後を飾るカレイ
さて、この後完全に当たりが止まります。
「何時までやる?」
「帰りにきむさん家に寄って、6時にはつくばに着きたいな。」
「そうすると、家を出るのが5時だね。じゃあ、4時までかな。」
「そうだね。」
「あ、でも上州屋にも寄るでしょ。3時にしようか。」
「あ、そうだね。3時過ぎると寒くなるもんね。」
「じゃあ、あと2時間の勝負だ。餌を使い切るぞ!!」
「じゃあ、私も。」
ということで、二人で青イソメ房掛け攻撃です。しかし釣れません。一度だけ小さな当たりが合ったのですが、これはメゴチでした。
「釣れないねえ・・・」
「そろそろ片づけはじめる?」
「そうだね。」
と、私はヒラメ竿、イシモチ竿、足元竿など、既に役目を終えていた竿から片づけはじめます。そして、残った4本の投げ竿を片づけようと、1本目を手に取ります。すると、小さな魚の手応えです。しかし、それっきりで、後は重いものの、手応え無く上がってきます。
ちょうど先端から帰ろうとしていた釣り人が、竿の曲がりを見て、立ち止まります。きむさんも気付いたようです。
「どうしたの?何か釣れてるの?」
「いや、多分違うと思う。小さな当たりは合ったんだけど、他の人の仕掛けを釣っちゃったような重さなんだ。」
「でもカレイかもよ。」
「違うと思うけどなあ・・・・あ、カレイだ。」
「ほら、やっぱり。」
とタモに入ったのは、31cmのカレイでした。
「やった、2枚目だ。」
「帰ろうとすると釣れるんだもんなあ・・」
と、このカレイに刺激されて、また何度かたっぷり餌を投げ込みましたが、結局このカレイが最後の1匹となりました。
3時過ぎには納竿です。帰りに小名浜の上州屋によって、カレイ針と錘を入手しました。また、きむさんからトンボも入手しました。これで注文されていた仕掛けが作れます。
結局今日の釣果は、カレイ2匹(37,31cm)、フッコ1匹(40cm)、アナゴ1匹、アカハゼ3匹、シャコ1匹、アイナメ・クジメ3匹(20cm:リリース)でした。写真には、きむさんに頂いたシャコとマハゼが入っており、ひらめの餌になった赤ハゼ1匹が消えています。
今回は初めての釣り場で、ポイントも何も分からずに釣ったにもかかわらず、私もきむさんもカレイを確保できたので、成功でした。それに、何よりも景色と天気が良く、山と海を眺めながら、爽快な釣りを楽しむことができました。
きむさんはこれから、こういった快適な釣り場で釣りができるわけで、羨ましいなあと思いながらつくばに帰りました。
さて、来週は釣りはお休みです。日本での最後の釣りは再来週18日になりそうです。
ではでは。