2013年9月上旬
今回の狙い
青物シーズン到来です。青物釣りに強いきむさんが、腕のなまりと体力の回復具合を確認するために、青物の釣れる場所に行きたいということで、今回は、青物が回っていそうな堤防を選びました。きむさんの狙いはルアーでの青物です。
しかし、私はその釣りが得意でなく、好きでもないので、ターゲットに悩みます。投げ釣りをしてもキス以外は期待できそうもないし、アジは前回沢山釣ったし・・・・ということで、今回はカワハギを狙ってみることにしました。いるかいないか全くわかりませんが、居てもおかしくないはずということです。とは言え、堤防でのこの時期のカワハギ狙いはフグとの戦いになるのが見えているので、他にも色々と準備します。青物は基本的に弓角で対応することにしました。
久々の早朝出発
ここの所、夕方のアジ釣りメインだったので、午後や夕方出発が続いていましたが、今回は早朝に出発です。
きむさん家に、朝4時に集合です。久々に早起きしました。
途中釣り餌屋に寄ったところ、面白い餌がありました。「赤い青イソメ」という名で、基本的には青イソメなのですが、全身が赤いのです。
でも、赤イソメのような強いにおいなどはないので、青イソメとほぼ同じ使い方しかできません。この赤い青イソメ、どのような効果があるか確かめたかったので、買ってみることにしました。
赤イソメは高いけど、赤い青イソメだと、通常の青イソメと同じ値段なのです。まあ、魚の多くは色盲なので、色はあまり関係しないのですが、気分的にちょっと嬉しいですね。
釣場到着までに疲れ切る・・・
さて、現地に着き、堤防に入り、きむさんが釣りたいポイントまで、延々と歩きます。今日はキャリーを忘れたので、全部抱えて歩くのは本当に疲れました。
やはり青物は堤防の先端に近い方が良いということで、きむさんは黙々と先端を目指します。6時頃
「よし、Gakuさん、ここでやろう」
「おお、その言葉を待ってたよ・・・」
と、荷物をおろし、準備を開始します。
きむさんは早速ルアーを投げています。周りの釣り人も殆どが青物狙いのようです。私も参戦しようかな・・・と思ったのですが、青物が釣れている感じが全くなかったので、青物狙いには参入せず、まずアジがいるかどうかを調査することにしました。
泳がせ釣り用に小さなアジが欲しかったので、とりあえず4号の小さな針でサビキを準備し、投げ込んでみます。
そして、最初に釣れたのは、チャリコでした。
しかし、餌にするには大きすぎます。泳がせ釣りはカンパチを狙っているのですが、この時期のカンパチは小さいので、もうすこし小さいチャリコが必要です。
しかし、次に釣れたのはフグ。その後もフグ・・・・コマセを入れるとすぐにフグの嵐になるようです。
フグは、どんどん釣れ、そしてどんどん針が無くなります。チャリコは釣れません。最初の一匹だけです。
一度カワハギのような強い引きが来たので、期待したのですが、正体はシマダイでした。
どうもフグは上に、チャリコや他の魚は底近くにいるようです。そこでサビキを継ぎ足して長いサビキにしてみます。
でも、強風で、一度も使わないうちに絡んでしまい、その後30分くらい、このサビキを解くのに時間を費やしました。
普段であれば、サビキが絡んだらすぐに諦めて新しいサビキを出すのですが、周りを見ても、青物もなにも全く釣れていないようなので、慌てて釣りに参入する必要はなさそう・・・・ということで、誰かが何かを釣るまで、当面釣らずにサビキを解きながら待つことにしたのです。
おかげで、サビキが復活しました。
タチウオ現る・・弓角不発
7:30分、二つ隣のアングラーが、タチウオを釣ります。指四本サイズのGoodサイズです。
ルアーは緑のオーロラミノーのようです。早速私ときむさんもタチウオを狙ってみます。まずはメタルジグで参戦。その後ミノーを使ってみますが、やはり釣れません。
二つ隣りのアングラーは、10分後に、また1匹釣ります。そこで、きむさんが情報収集に行きます。
「底だってさ」
「速さは?」
「ゆっくりだって」
という情報を得て、同じように狙いますが・・・・・やはり釣れません。
私は当初の予定通り、弓角に変えて遠投してみますが、なにも釣れません。
私は元々この釣りがあまり好きではないので、すぐに飽きてしまいます。
ルアーは諦め、カワハギ探し
一時間ほどいろいろトライしてみましたが、サビキはフグ、ルアーは反応なしで、全体的に堤防は低調ムードです。そこで、当初から予定していたカワハギ探しに入ることにしました。特製カワハギ仕掛けを短い竿にセットし、堤防際を探ります。
当然ながらこの釣りもフグとの戦いですが、サビキよりもポイントを狙い易いので、ベタ底で、カワハギ釣りの手法であるタタキ釣りや弛ませ釣りで魚を探します。すると、カワハギはいないものの、コンスタントにチャリコが釣れるようになりました。
とはいえ、このチャリコ、大きいのです。餌にできないどころか、15センチを超える「タイ」と呼びたいサイズまで釣れます。
餌にするチャリコが釣れないまま、暫くフグと格闘しつつ、このチャリコ探しを続けます。
青物!!
こうしてチャリコ釣りを続けていると、9時15分頃、やっと一匹、泳がせサイズの小型チャリコを確保することができました。
早速泳がせ釣りの仕掛けをセットし、磯竿で足元に下ろします。錘も浮きもつけない自由遊泳スタイルです。
10分後、ちょうどチャリコ釣りの餌を付けに荷物の傍に戻った時に、この泳がせ竿に当たりがあります。
「Gakuさん、これ当たってるよ」
きむさんの声に、すぐ竿に飛びつき、緩めてあったドラグを締めますが、凄い引きです。ドラグを調整しつつこの引きに耐えます。この魚、凄い力で引くので、何度巻いても、またドラグから糸が出ていきます。
ただ、不思議なことに左右には走りません。真っ直ぐ左前方の底を向いて進もうとするだけです。しかし、その勢いがあまりに強く、止まりません。何とか止めようと戦ううちに、左側に置いてあったきむさんと私のサビキ竿に、道糸が絡んでしまいました。
きむさんが、その絡んだ竿が落ちないようにキープしてくれているので、タモの準備ができません。隣で釣っていたアングラーさんが助けに来てくれました。
「青物ですか?」
「まだ一度も姿が見えないので分からないんです。」
「ヒラメかな、青物かな?」
「左右に全然走らないんですよ。大きいヒラメかもしれないですね。」
この魚、少しずつ巻いて上がってきても、やはりひたすら左前方の底に向かって泳ごうとするだけで、左右に走りません。間違いなく魚が掛かっているのですが、これまで釣ったイナダやカンパチのようなファイトではなく、単にすごい力でまっすぐ進もうとするだけなので、これはヒラメかもしれないと思い始めます。
いずれにせよ、これまで体験したことのない引きの強さと重さなので、姿が見えるまで、何だかわかりません。
暫く戦って、やっと姿が見えるところまで魚が上がってきました。堤防際から少し離れて戦っている私より、近くで見ているきむさんやアングラーさんの方がよく見えます。
「ヒラメですか?」
「いや、青物だよ」
上がってきたのは、立派なサイズの青物でした。水面まできたときには疲れ果てていたのか、駆けつけて下さったアングラーの方が出してくれたタモに素直に入り、無事この大物を取り込むことができました。
「おお、立派なサイズだね。」
「ワラサですかね」
「これヒラマサじゃない?マサのような気がするなあ。マサにしては太すぎるかなあ。」
「確かに、口の縁が丸くなってますから、ヒラマサかもしれませんね。」
「でも、こんなに太ったマサは見たことないなあ。デブマサかな?」
「確かに体高がありすぎますよね。やっぱりブリ(ワラサ)でしょう」
ということで、結論はワラサということにしました。ちなみに、ブリの名前は、ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)と変わります。
ブリとヒラマサとの見分け方が口の端であることは覚えていたのですが、今までヒラマサを釣ったことが無く、比べたことも無いので、この場では判別できませんでした。
サイズは約70p(きむさんから借りたメジャーで測ると69p)です。血抜きをしてもクーラーに入らず、折り曲げて入れる羽目になりました。
私はこの一匹で、今日の釣りは打ち止め感ですが、周りのアングラーは一気に戦闘モードに入ったようです。
あとはひたすらチャリコ釣り
さて、これで今日の釣りは、この後も当たれば大きい泳がせだけで十分という気になります。ゆっくり朝食兼昼食を食べて、チャリコ釣りに戻ります。
チャリコ釣りはフグとの戦いは変わりませんが、段々慣れてきたので、チャリコを選んでポツポツと釣れるようになってきました。11時頃、きむさんがチャリコの泳がせで30センチ弱のカンパチを釣ったので、まだまだ泳がせ釣りには期待が持てそうです。
きむさんは、泳がせをしつつ、ルアーでイトヒキアジを釣を釣りました。これも珍しい釣果です。
チャリコ釣りはかなりの確率でフグを避けてチャリコが釣れるようになってきました。小さなサイズはなかなか釣れませんが、少し大きめの物で、泳がせ釣りも再開です。
このチャリコ探しの脈釣りでは、12時過ぎに一度、強い引きで、またシマダイが上がってきました。
このシマダイは約20pと、まあまあのサイズです。
この堤防、真面目にシマダイを狙えば、相当良いサイズの物まで釣れそうな気がしてきました。
チャリコがコンスタントに釣れるようになってきたので、きむさんにも使ってもらったところ、なんと、1匹の泳がせで、二匹のショゴ(カンパチ)を釣るという、離れ業も見せてくれました。
私の方の泳がせには、結局その後は何も釣れませんでしたが、まあ今日はこれで十分でしょう。
ワラサではなくヒラマサで謎も解ける
13:30に片付け、14時に堤防を後にしました。
帰宅して、早速図鑑を確認したところ、ヒラマサとブリの見分け方は、
@口奥の上辺が丸いこと(ぶりは角ばっている)
A胸ビレと腹ビレの位置を比べると腹ビレの方が長く後ろまで来ること(ぶりは同長か胸ビレが長い)
だそうで、まさに今日釣った青物はヒラマサであることが確認できました。
釣り人のバイブル「新さかな大図鑑」には、「〜ヒラマサは最後までこちらを向かずに突っ込んでいく最高のファイター」と書いてあり、カツオやマグロのように走り回ったり反転したりしないのだそうです。それで今日の釣りでのヒラメと間違うような動き方が納得できました。
今日の釣果
今日の釣果は、ヒラマサ69p1匹、シマダイ(15〜20p)3匹、チャリコ(15〜7センチ)15匹程度(持ち帰り11匹)、フグ死ぬほど・・・でした。ヒラマサは刺身、塩焼、カルパッチョなど、シマダイと大きめのタイはから揚げに、チダイは笹漬けになりました。
釣果が超高級魚と分かり、お刺身の味も格別でした(笑)
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