Rouget ヒメジ スズキ目スズキ亜目ヒメジ科 年間通じ供給(秋から冬)
価格帯:12-23eur/kg

ヒメジ科の魚は日本に22種もいますが、日本では魚屋の店頭で見ることはほとんどありません。これは、日本のヒメジ科の魚の多くが小型で、重要な漁業対象とはなっていないからだと思われます。

これに比べ、パリではRougetは常に店頭の一角を占める重要な魚の一つです。最も一般的なのがRouget-barbet(正式名:Rouget de vase)で、日本のウミヒゴイに似ています。また、日本のヨメヒメジに似たRouget de rocheがRouget Dakarの名で売られていることもあります。

これらの魚の特徴はあごひげがあることで、Rouget-barbetにも2本の黄色いあごひげがあります。このあごひげは味を感じることが出来るそうで、これで海底の小型底性動物を探って食べているようです。日本には、このヒメジの仲間で「オジサン」という名の種もいますが、これなどはきっと髭からきた名だと思われます。

ヒメジは、日本では小型種が多いため、食べるとすれば南蛮漬けやから揚げで食べることが多いのですが、パリのヒメジはサイズがいいので、煮付けや塩焼きなどでも美味しく食べられます。また、新鮮なものは刺身にしても美味しく食べられます。

フランス料理の材料としても一般的な魚ですが、日本ではこのサイズのヒメジは手に入りにくいので、日本のフランス料理店では代わりにアマダイを使うことが多いようです。同様に、パリの日本料理屋ではアマダイの料理に、このRougetを使うそうです。面白いですね。

なお、稀にGrondinがRouget-grondinの名で販売されていることがあります。

仏語名 英語名 日本語名 学名 分布 コメント
Rouget barbet Goatfish
Striped mullet
Red mullet 
ヒメジ(ウミヒゴイ) Mullus barbatus 大西洋・地中海 やや南方系のヒメジ。Rouget de vaseが正式名
Rouget Dakar Goatfish
Surmullet
(ヨメヒメジ) Mullus surmuletus 北海・大西洋・地中海 Rouget de rocheが正式名