Corégone
F
éra
フェラ サケ目サケ科 年間通じ供給(秋)
価格帯:高め

パリでもまれに売っていますが、ジュネーブの魚屋では淡水魚の一つféraが、魚屋の店頭に必ずあります。わざわざレマン湖産であることが強調されていることもよくあります。レマン湖でも漁獲量の多い魚ですが、学術的にはレマン湖のフェラは絶滅しており、この魚は別の魚です。

この魚、サケ目サケ科コレゴヌス属に分類される魚ですが、コレゴヌス属は種類が多く、大きな湖毎に違う種類と言ってもよい程多数の種、亜種がいます。図鑑などでは、レマン湖で捕れたもののみféraと呼ぶと書かれています。

学名や分類には議論が残ってはいますが、元々レマン湖にいたコレゴヌス属Coregonus fera (これをフェラと呼ぶ。コンスタンツ/ボーデン湖にも生息しており、ドイツ語名Sandfelchenがある。)と、Coregonus hiemalis (これはgravencheと呼ばれていた)で、1890年頃には、この二種でレマン湖の漁獲量の7割近くを占めていたようですが、1920年代に乱獲され、1950年までは生息が確認されていますが、1958年の調査では両種とも発見されず、絶滅したとされています。

現在レマン湖に生息するのは、この乱獲を受けて1923年にヌーシャテル湖から移植されたCoregonus palaeaで、paléeと呼ばれています。2011年にはレマン湖で780トンの漁獲量があったそうです。

この情報は職場の同僚の奥さんが調べてブログに書いてくれたので、判明しました。

元々フランスではCorégoneの名前は「シロマス」と言った感じの一般名称で使われており、店頭でこの名前を見ることはあまりありません。

日本にもこの仲間でポーランド原種のCoregonus lavaretus maraena がチェコスロバキアから輸入され、長野県で養殖に成功し、「シナノユキマス」の日本語名があります。

féraはとてもおいしい魚で、塩焼でもムニエルでも楽しめます。店頭には古いものも多いので、鮮度の良いものを買うようにしましょう。

 

仏語名 英語名 日本名 学名 分布 コメント
Corégone Whitefish
Houting
Vendace
シロマス Coregonus spp. 仏中部及び北欧の湖沼 仏国内でも別名多し。イギリス産はPollanと呼ぶが近似種
Féra Whitefish フェラ Coregonus fera レマン湖 レマン湖のオリジナルフェラ。絶滅したらしい。
Gravenche Whitefish フェラ Coregonus hiemalis  レマン湖  絶滅?
Palée Whitefish フェラ Coregonus palaea レマン湖他 彼方此方に移植されたらしい。現在販売されているレマン湖産フェラ。但し販売名がFéraでもレマン湖産とは限らない。