2002年8月17日 土曜日 ベラ遊び
滞在を延ばして海へ
「あゆみ、本当は今日帰るはずだったけど、もう一日いる?」
「え?、私はどっちでもいいけど。」
「一日延ばすと、海に泳ぎに行けるし、釣りにもいけるよ。」
「あ、海行きたい。釣りは釣れるの?」
「ベラでよければ入れ食いだよ。」
「ベラでもいい。釣りも行きたい。じゃあ延ばす。」
ということで、滞在を一日延ばすことにしました。
午前中はサンマロの隣にあるディナー(Dinard)のマルシェに出かけます。ここで魚屋を三軒発見しました。
さすがに海辺の魚屋だけあって、物はすごく新鮮そうですが、やはり魚種はパリと変わりません。結局パリにはフランス中の漁場から魚が集まっているということなのでしょう。
ここの地元ならではの魚としてあげられるのは、Équille(イカナゴ)、ムール、オマール、そしてサバです。特にサバはこの近海で沢山獲れるようで、どの魚屋さんもサバで一杯でした。面白いことに、なぜかどの魚屋さんでも、サバを頭から氷に突き刺して売っているのです。これがこの地方の売り方なのでしょうか。
地元の方に伺ったところ、ヨットで沖にセーリングに出たときに、ヨットから延縄のようなものを流しておくと、セーリングが終わったときにサバが沢山釣れているのだそうです。餌もテクニックも不要で簡単に釣れるのだそうで、サバの魚影が濃いのですね。
海水浴後再度ベラ釣りに
午後はサンマロの海岸で久しぶりに泳ぎました。水はちょっと冷たいのですが、泳げないほどではありません。すごく綺麗な水で、波も静かで快適でした。
さて、海水浴から帰って、6時から釣りに行きます。
「パパ、本当に釣れるの?」
「少なくとも昨日は入れ食いだったよ。今日は餌が昨日と違うから分らないけどね。」
「ええ〜、釣れなかったらやだなあ・・・」
という娘に、竿を作って渡します。
「20メートルも投げればいいよ。」
「そんな近くていいの?」
「うん。遠いとベラはいなくなるみたい。」
と説明して、投げさせます。
「あたりがあったらあげてご覧」
と言った端から、もう上げ始めています。
「当たったの?」
「うん、来たと思う。」
ということで上がってきたのはやはりベラでした。あゆみも一年ぶりの釣果です。
「ね、入れ食いでしょ。」
「ほんとだね。この魚どうするの?」
「あそこの潮溜まりに入れておけばいいよ。カモメが獲りに来るかもしれないけどね。」
「わーい、水族館ができるね。」
入れ食い・・・
その後もベラが釣れ続きます。一応私の竿も準備したのですが、あゆみがどんどん釣るので、自分の竿を世話をする暇がありません。
ベラの魚影は相当濃く、ポイントさえ外さなければ入れ食いです。サイズも大きいものは20センチを越えるので、それなりに抵抗して面白い釣りです。
水族館もなかなか充実してきた頃、あゆみが別種のベラを釣ります。まみどりのベラです。写真の中に泳いでいますが、見えるでしょうか。
「この緑のベラも食べるの?」
「うん。食べる。」
「じゃあ、水族館に入れておいで。」
「うん。藻も入れてやると喜ぶかな。」
「やってみたら。」
ということで、あゆみは釣りよりも段々と水族館遊びの方に気がいき始めました。
その後、ハゼのような魚も釣れました。ますます水族館が充実します。
その頃、ふと後ろを見ると、いました。昨日のカモメです。
「ほら、カモメがきたぞ。」
「あ、あいつ? 魚獲られたら嫌だなあ。」
「追っ払ってきたら?」
「うん。」
ということで、あゆみがカモメを追い払いに行きますが、ちょっと飛んで逃げるだけで遠くから見つめています。きっと昨日の収穫で味をしめてしまったのでしょう。
「あいつ待ってるねえ・・」
「大丈夫。監視してるから。」
「針を飲んだままの奴がいるから、それを獲ってっちゃうと、カモメも死んじゃうから、気をつけなくっちゃね。」
等と話しながら釣り続けます。
結局最後までベラのあたりは途絶えることなく、10匹近いベラを釣って一時間で終りにしました。
「沢山釣れて良かったね。」
「でも、ベラばっかりじゃ飽きちゃう。」
「贅沢だなあ。ベラでも釣れたからいいでしょ。」
「うん。まあね。」
ということで、満足した久々の釣りでした。
あゆみはと言えば、帰りがけに崖から落ちそうになったパパを救ったので、大喜び。ご機嫌で帰路に着きました。
さて、来週からまた魚屋通いの日々です。9月になればホタテやウニも復活するはず。楽しみです。
ではでは。