2003年6月28日 ヒラメ二種類食べ比べ   

ヒラメの美味しさに開眼

今週、パリ市内のフランス料理レストランで食事をした際に、Turbot(ヒラメ)を食べました。出てきたのは超大型のひらめの輪切りの下半分、卵がタップリはいった部分という、最高の部位で、味も最高、蒸し焼きに近いバター焼きがヒラメをさっぱりと仕上げ、オレンジ系のソースにぴったりの味になっていました。

これまで、ヒラメを輪切りにしたものを売っているのは見たことはあったものの、どうやって食べるのか想像できなかったので、購入しませんでしたが、このヒラメの美味しさには感動、早速自宅でも再現してみることにしました。

ちょうど来週は娘の先生を自宅に招いて、お世話になったお礼のお食事会を開催する予定になっています。その日に限っては「緊縮財政令」が解除されるので、少しくらい高い食材でも良さそうです。そこで、この週末にこのヒラメを料理してみて、家内の評価を仰ぐことにします。

Turbotは高い!!

娘が夏休みに入ったので、今日は久々に娘とベルサイユに来ました。ベルサイユの魚屋はいつも通りで、特に目新しいものは出ていません。先週売っていた活きエスカルゴが、量は相当少なくなったものの、まだ売っていました。でも、一週間絶食状態のエスカルゴ、相当味が落ちているでしょうね。

「あゆみ、何食べたい?」

「あんまり食べたいものが無いなあ。」

「これと言って美味しそうなものが無いよね。お刺身、何にしようか。」

「何でもいいや。美味しそうなの無いんだもん」

といって悩んでいると、安売りコーナーに今日の狙いのTurbotではなく、もう一種類のヒラメ(Barbue)が売られています。鮮度もそれほど落ちていないようです。Barbueの場合、鮮度が落ちると刺身に向かなくなるので、刺身に出来るかどうかは買って帰ってみないと分かりませんが、とりあえずは良さそうです。

「あゆみ、ヒラメにしようか。」

「ああ、これ? これならいいよ。」

「パパ、今日はもう一種類のヒラメも買いたいんだ。」

「どれ? Turbot? 高いじゃん。」

「あゆみの先生用の焼き魚にどうかと思うんだけど。」

「でもすごく高いよ。」

「でも美味しいんだよ。食べてみたいでしょ。」

と無理やり娘を押し切り、Turbotの輪切りも買いました。

ちなみにBarbueはキロ16ユーロでしたので、上の写真の一匹で20ユーロ以下でしたが、Turbotの方はキロ55ユーロでしたので、右にある輪切りの写真の下側のサイズで一キロ近くあり、一切れ50ユーロでした。一切れで50ユーロとは、超高級魚ですね。ちなみに、今日購入したBarbueを輪切りにすると、右の写真の上のサイズの大きさになります。

この写真を見てもう一つ気づくのは、肉質の違いです。Barbueの方は透明で、日本のヒラメに近く、薄作りに向いた肉質です。これに対してTurbotはもう少し白身で柔らかく、ハタに似た感じです。ちょうど、日本のスズキがBarbueで、欧州のスズキ(Bar)がTurbotの肉質という感じです。

バター焼き最高・・・ソースが作りたい

さて、この両方の輪切りをバター焼きにしてみました。単なる塩焼きも考えたのですが、Turbotの身は水っぽく、その汁が美味しいので、汁が外に出てしまう網焼きより、汁を肉の中に閉じ込めることが出来るバター焼きの方が美味しくなると思えたからです。今日の調理はあゆみがしました。

結果は大成功で、すごく美味しいバター焼きが出来ました。汁もタップリで、ソースは不要です。もちろん、これに美味しいソースを組み合わせたら最高でしょうが、ソースの作成能力不足で・・・・

Barbueのバター焼きもそれなりに美味しかったのですが、Turbotには全く敵いません。やはり値段の差だけのことはあるなと痛感しました。

ただ、Barbueの刺身は、これもまた絶品なのです。タイに比べると甘くて腰があるので、薄作りにぴったりです。

「パパ、薄作りの腕、まだまだだね」

「今日は包丁を研がなかったから、切れが悪かったんだ。」

「包丁のせいじゃないでしょ。やっはり絵皿の上に置いて、透けて見えるようじゃなくっちゃ・・・」

などと、贅沢を言う娘ですが、文句を言いつつ綺麗さっぱり平らげました。

で、Turbotのバター焼きですが、家内にも好評だったものの、あまりに高すぎると言うことで、お客さま用塩焼き材料としては却下されてしまいました。確かに、この値段ではねえ・・・誰が買って食べてるのでしょうね(笑)

ではでは。